住宅ローン特則(住宅資金特別条項)とは?要件はなに?

住宅ローン

「個人再生の住宅ローン特則ってなに?」
「住宅ローン特則を利用するには要件(条件)があるの?」

個人再生とは、裁判所を通じた債務整理で、利息の免除のほか、元本を最大5分の1まで圧縮することができます。

個人再生の最大のメリットといえば、「住宅ローン特則(住宅資金特別条項)」を用いることで、個人再生の対象から住宅ローンだけを除外でき、持ち家を没収されることなく、その他の借金だけを圧縮できることです。

住宅ローン特則(住宅資金特別条項)には、いくつかの効果があり、利用するためには満たすべき要件(条件)があります。

本ページでは、住宅ローン特則(住宅資金特別条項)の役割と、利用するための要件についてご説明します。

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目次

個人再生最大のメリット「住宅ローン特則(住宅資金特別条項)」とは?

住宅ローン特則(住宅資金特別条項)は、あらゆる借金のなかから、住宅ローンだけを特別に扱う制度です。

以下では、その概要についてご説明します。

個人再生の対象から住宅ローンだけを除外できる

元来、個人再生では債権者平等の原則に基づき、あなたの抱えるすべての借金が対象となります。

カード会社からの借金や保証人付きの奨学金、自動車ローン、そして住宅ローンもすべて個人再生の対象となります。

自動車・住宅ローンなどは、銀行や保証会社が「抵当権」を持ち、それぞれ車・住宅が担保となっています。

そのため、これらのローンを個人再生の対象に含めると、利息の免除・元本の圧縮が受けられる一方、車・住宅を没収され、売却されてしまいます。

しかし、住宅ローン特則(住宅資金特別条項)を利用すると、個人再生の対象から住宅ローンだけを除外できます。

そのため、住宅が没収されることなく、借金の負担を軽減できます。

ただし、住宅ローン特則を利用した場合、住宅ローンの残高は圧縮されませんので、個人再生で圧縮された借金と住宅ローンを並行して支払っていく必要があります。

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カード会社からの借金が400万円、住宅ローンが800万円ある場合

例として、カード会社からの借金が400万円、住宅ローンが800万円あり、総額1200万円の借金を抱えている人が、住宅ローン特則(住宅資金特別条項)を利用し、個人再生をした場合をみてみましょう。

住宅ローン特則(住宅資金特別条項)を利用すると、個人再生の対象から住宅ローンが除外されますので、800万円の借金とその利息はそのまま残ります。

一方、カード会社からの借金である400万円は個人再生によって利息が免除され、元本も圧縮されます。

その人の借金の状況や財産の有無によって変動しますが、400万円の場合、最大で100万円まで圧縮することが可能です。

個人再生で圧縮された借金は一般的に3年間(36回払い)で完済することを求められますので、圧縮額を100万円とした場合、月々の返済額はおよそ2万8千円です。

つまり、個人再生後3年間は、圧縮された借金を毎月2万8千円ずつ返済しながら、並行して従来どおり住宅ローンの返済をしていくことになります。

「債権者平等の原則」とは?

任意整理であれば対象となる借金を自分で選ぶことができますが、個人再生では、「債権者平等の原則」という考え方に基づき、すべての借金が対象となります。

債権者平等の原則とは、簡単にいえば、銀行・保証会社・カード会社など、お金を貸している人を平等に扱うというルールです。

たとえば、カード会社A社・B社という2社から借金をしている人が、A社の借金だけを圧縮して返済し、B社の借金は圧縮せず全額返済するという行動を取ると、A社だけが損をすることになります。

このような不平等を防ぐために、個人再生ではすべての借金を対象とし、各社の借金元本の圧縮幅を等しくするなどのルールがあります。

住宅ローンだけが特別扱いされる理由は?

債務整理の目的は、その人の経済的な破綻を再建することです。

住宅はその人が生活する基盤であり、これを失ってしまうと、生活を再建するどころか、かえって生活が苦しくなってしまう可能性があります。

そこで、個人再生では、その人の生活を保護するために「住宅ローン特則(住宅資金特別条項)」という制度を作り、持ち家を残したまま借金の負担を軽減できるようにしました。

「抵当権」とは?

住宅ローンには、銀行・保証会社による抵当権が設定されています。

抵当権とは、借金が返済できなくなった際に、銀行・保証会社が担保となるものを没収し、売却することで借金を回収できる権利のことです。

抵当権は別除権の一つで、銀行・保証会社は個人再生や自己破産をした人に対しても、自由に行使することができます。

しかし、個人再生の住宅ローン特則(住宅資金特別条項)を利用した人に対しては例外で、この場合住宅ローンがそもそも圧縮対象にならないため、抵当権を設定している会社や保証会社が突然抵当権を行使し、住宅を没収することはありません。

そのため、住宅ローン特則(住宅資金特別条項)を利用すると、持ち家を残してその他の借金だけを圧縮することができるのです。

住宅を残す必要がないなら、個人再生より自己破産のほうがお得

ちなみに、持ち家がない人や持ち家を没収されても構わない人であれば、個人再生より自己破産を選んだほうがよい場合があります。

理由は、人によっては個人再生と自己破産ではデメリットがほとんど変わらない一方、手続き後の返済額に大きな差が生じるからです。

個人再生では、利息は免除されますが、元本は圧縮されるだけで残りますので、手続き後も借金の返済が続きます。

しかし、自己破産では、利息も元本も免除されるため、手続き後の借金残高は0となり、返済するものがありません。

「持ち家がない」あるいは、「持ち家を没収されても構わない」という人は、個人再生だけでなく、自己破産も視野に入れ、検討しましょう。

「自分にあった債務整理がわからない」という人は、弁護士・司法書士など法律の専門家に相談し、意見をきくようにしましょう。

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住宅ローン特則(住宅資金特別条項)を利用すると……

住宅ローン特則(住宅資金特別条項)の効果といえば、住宅ローンが個人再生の対象から除外されることが有名ですが、実は、その他にも住宅ローンの返済に役立ついくつかの効果があります。

ここでは、住宅ローン特則(住宅資金特別条項)の5つの効果についてご説明します。

ローン中の家を守りながら借金整理

住宅ローン特則(住宅資金特別条項)の代表的な効果です。

前述のように、元来、個人再生では債権者平等の原則に基づき、元来すべての借金が対象となりますが、住宅ローン特則(住宅資金特別条項)を利用することによって、住宅ローンだけが対象から除外されるため、持ち家の没収を防げます。

個人再生後は、圧縮されたその他の借金を返済しながら、今までどおり住宅ローンの返済も行います。

住宅ローンの滞納分を3〜5年の分割返済が可能

個人再生を行う前に住宅ローンを滞納していた人の場合、個人再生を行うことで滞納分を分割返済にできる可能性があります。

この場合、住宅ローンの滞納額を個人再生の再生計画に含め、3〜5年間の分割返済を交渉できます。

住宅ローンの滞納額が30万円ある人が住宅ローン特則(住宅資金特別条項)を利用した場合

住宅ローン滞納額が30万円ある人が住宅ローン特則(住宅資金特別条項)を利用した例をみてみましょう。

30万円を3年間払い(36回払い)に分割すると、1か月あたり約8,500円です。

これまでの住宅ローンの月々の支払いが10万円だった場合、個人再生後の3年間は住宅ローンの支払価格が10万8,500円になります。

なお、個人再生から3年間はこの住宅ローンの返済に加え、個人再生によって圧縮された他の借金の支払いも発生します。

他の借金が100万円まで圧縮できたとすると、月々の支払いは約2万8千円なので、住宅ローン10万8,500円+他の借金2万8千円=13万6,500円が合計の月々の支払額になるということです。

<個人再生後3年間の毎月の支払い額内訳>

  • 住宅ローンの返済:従来の返済額10万円+滞納分の分割支払い8,500円=10万8,500円
  • 個人再生によって圧縮された借金の返済:およそ2万8千円

→合計で月々13万6,500円の返済が必要

住宅の競売手続きがスタートしていても中止できる

住宅ローンの滞納が3〜6カ月ほど続くと、保証会社による代位弁済と、抵当権による住宅の競売手続きが開始されます。

代位弁済とは、保証会社があなたの代わりにローンを返済してくれることです。

代位弁済後はお金を借りている相手が銀行・カード会社などから保証会社へ移行し、保証会社から肩代わりしたローンの一括返済が求められます。

一括返済が行われないと、抵当権により持ち家を没収され、競売にかけられてしまいます。

しかし、保証会社の代位弁済から6カ月以内に、個人再生により「住宅ローン特則(住宅資金特別条項)」を利用すると、住宅の競売手続きがスタートしていても中止できるため、持ち家を取り戻せる可能性があります。

ただし、競売にかけられた住宅が落札され、所有権が移ってしまっている場合、残念ながら、持ち家を取り戻すことはできません。

住宅ローンの返済期間を最大で10年間延長

個人再生で「住宅ローン特則」を利用すると、70歳までに完済できる場合に限り、返済期間を延長できます。

住宅ローン契約時の最終弁済日から最大で10年間の延長が可能です。

つまり、現行の住宅ローンの契約を、個人再生のタイミングで見直すことができるわけです。

一部の住宅ローン元本返済・利息返済が免除できるケースも

これまで、住宅ローン特則の4つの効果を述べてきましたが、これらを利用しても住宅ローンの返済が困難だという人に限り、個人再生後の再生期間(圧縮された借金を返済する期間)中だけ、一部の住宅ローン元本の返済や利子の返済を免除できることもあります。

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住宅ローン特則(住宅資金特別条項)を利用するための要件(条件)は?

住宅ローン特則(住宅資金特別条項)には以上のようにさまざまな効果があります。

しかし、住宅ローン特則(住宅資金特別条項)は住宅ローンを抱えるすべての人が利用できるわけではありません。

以下では、住宅ローン特則(住宅資金特別条項)を利用するための7つの要件について解説します。

要件1:住宅を購入orリフォームするためのローンであること

住宅ローン特則(住宅資金特別条項)は、あくまで住宅を購入したり、リフォームしたりするために借りたローンでなければ適用されません。

同じローンでも自動車ローンやビジネスローンには使用できませんのでご注意ください。

要件2:本人が住むための住宅であること

住宅ローン特則(住宅資金特別条項)を利用するためには、住宅ローンを組んだ理由となる住居があなた自身の持ち物であり、且つあなたが住むための建物である必要があります。

たとえば、投資目的で購入したマンションやアパート、ビジネス目的で購入した住宅、ビル、オフィスなどのローンは対象外です。

また、住宅を複数持っている場合、対象となるのはメインで暮らしている1棟のみです。

別荘など2軒めの住宅のローンには適用されません。

要件3:銀行や保証会社の抵当権が設定されていること

住宅ローンの借り方にもいくつかの方法があり、無担保で借りられるものも存在します。

無担保住宅ローンは、手続きが簡単で、すでに住宅ローンを借りている人でも利用できるなどのメリットがある一方、有担保住宅ローンより金利が高く、限度額が低いなどデメリットもあります。

また、無担保住宅ローンは銀行や保証会社の抵当権が設定されていないため、個人再生時に「住宅ローン特則」を使用できません。

要件4:住宅が住宅ローン以外の抵当権に設定されていないこと

住宅は、住宅ローン以外の担保に設定することもできます。

最も多いのがビジネス目的のローンの担保となることです。

さまざまなカード会社で、「不動産担保ローン」という商品名で用意され、住宅を担保としてビジネス用などの用途でお金を貸しています。

あなたの住宅が住宅ローンだけででなく、それ以外のローンの担保になっている場合、住宅ローン特則(住宅資金特別条項)を適用することはできません。

要件5:個人再生後の返済と住宅ローンの返済を両立できる収入があること

前述の通り、個人再生は借金の負担が軽減される制度ですが、返済額が0になるわけではありません。

また、住宅ローン特則(住宅資金特別条項)を利用する場合は、一般的には住宅ローンの残高は変わらないため、これまで通り返済していくことになります。

そのため、個人再生後の圧縮された借金を返済しながら、住宅ローンの返済をしていけるだけの収入がある人でなければ、住宅ローン特則(住宅資金特別条項)を利用することはできません。

カード会社からの借金が400万円、毎月の支払い額が10万円の住宅ローンがある場合

「個人再生後の返済が可能な収入」といわれてもイメージし難い人も多いでしょう。

そこで、例として、カード会社からの借金が400万円あり、毎月の支払い額が10万円の住宅ローンがある人が、住宅ローン特則(住宅資金特別条項)を利用し、個人再生をした場合をお話します。

カード会社からの借金400万円が個人再生により100万円に圧縮された場合でみると、3年間で完済する場合、月々の返済額はおよそ2万8千円です。

加えて、住宅ローンの返済が今までどおり毎月10万円となりますので、月々の返済額は合わせて12万8千円となります。

この場合、月々の収入から食費・雑費などの生活費等の支出を引いた額が、12万8千円を超えるようであれば、個人再生を行ってもよいということになるでしょう。

しかし、収入から支出を引いた額が12万8千円を満たない場合、返済は不可能と推定されるため、自己破産など個人再生以外の手段も検討すべきです。

「自分の収入・借金の状態で、個人再生後の返済が可能かどうかよくわからない」というときは、弁護士・司法書士などに相談してみるとよいでしょう。

要件6:保証会社の代位弁済から6カ月以上経過していないこと

前述の通り、住宅ローンの滞納が3〜6カ月続くと、保証会社による代位弁済が起こります。

代位弁済後、ローン残高の一括返済ができないと、住宅を競売にかけられてしまうわけですが、代位弁済から6カ月以内であれば、住宅ローン特則(住宅資金特別条項)を用いることで住宅ローンを巻き戻すことができ、滞納前の状態に戻すことが可能です。

一方、民事再生法の取り決めにより、代位弁済から6カ月が経過していると、代位弁済を取り消すことはできません。

要件7:住宅ローンの残高が、住宅の今の評価額より高いこと

住宅の今の価格(時価)は常に変動しています。

そのため、立地や家の状態がよいと、住宅ローン残高より、住宅の時価が高額になってしまうこともあります。

たとえば、住宅ローン残高が1,300万円で、住宅の時価が1,500万円であった場合などです。

このように、ローン残高より担保となる財産の時価が高くなってしまうことを、「アンダーローン」といいます。

アンダーローン状態の人が、住宅ローン特則(住宅資金特別条項)を使って個人再生をすると、個人再生の効果が十分に発揮されない可能性があります。

なぜなら、住宅の時価と住宅ローン残高との差額がその人の資産価値に影響し、個人再生後の返済額が通常より高くなってしまう可能性があるからです。

住宅ローン特則(住宅資金特別条項)を利用したいと思ったら、住宅の時価などについても弁護士・司法書士に相談してみるとよいでしょう。

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まとめ

  • 住宅ローン特則(住宅資金特別条項)は個人再生の最大のメリットである
    ・元来すべての借金が対象になる個人再生から、住宅ローンだけを除外できる
    ・持ち家を没収されずに借金の負担を軽減できる
    ・住宅ローンは減額されないため、個人再生後も全額支払っていく必要がある
    ・残すべき住宅がないなら、個人再生だけでなく自己破産も視野に入れて検討するとよい
  • 住宅ローン特則(住宅資金特別条項)の効果
    ・住宅ローンが個人再生の対象から除外される
    ・すでに滞納している住宅ローンの返済を3~5年の分割支払にできる
    ・長期の滞納で住宅を競売にかけられていても、買い手が決まっていなければ取り返せる可能性がある
    ・70歳までに完済できる見込みがあれば、住宅ローンの返済期間を10年まで延長できる
    ・個人再生後の再生期間中は住宅ローンの元本・利息免除が可能なケースもある
  • 住宅ローン特則(住宅資金特別条項)の要件
    ・住宅を購入するための、あるいはリフォームするためのローンであること
    ・本人が住むための住宅であること
    ・銀行や保証会社の抵当権が設定されていること
    ・住宅が住宅ローン以外の抵当権に設定されていないこと
    ・個人再生後の返済と住宅ローンの返済を両立できる収入があること
    ・滞納による保証会社の代位弁済から6カ月以上経過していないこと
    ・住宅ローンの残高が、住宅の今の評価額より高いこと

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