清算価値とは?個人再生の大原則を徹底公開!

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「清算価値保障の原則ってなに?」
「個人再生の最低弁済額はどのようにして決まるの?」

清算価値保障の原則とは、個人再生で用いられるルールで、個人再生による借金元本の圧縮額(最低弁済額)を定めるうえで重要な役割を果たします。

清算価値とは、その人の持つ財産をお金に換算した場合の金額のことをいい、これが高額になる場合、その分個人再生後の借金の返済額が高額になってしまいます。

また、個人再生には厳密にいうと「小規模個人再生」と「給与所得者等再生」の2種類があり、それぞれに使用できる条件やメリット・デメリットが異なります。

本ページでは、小規模個人再生の場合を中心にご説明し、清算価値保障の原則について解説します。

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個人再生のしくみ

清算価値保障の原則は、個人再生の最低弁済額を決定する際に作用するルールです。

まずは、個人再生の仕組みについて、簡単にご説明します。

個人再生とは?

個人再生とは、自己破産・任意整理に並ぶ債務整理のひとつです。

裁判所を通じて行われ、借金の利息免除と元本の圧縮を行うことができます。

位置づけとしては、借金の利息・元本ともに免除(借金が0になる)自己破産と、借金の利息が免除される任意整理の間に位置し、「自己破産をするほどではないが、任意整理をしただけでは借金の減額幅が小さく、借金の完済はきびしい」という人が選択する手段といえます。

個人再生は自分で手続きを行うこともできますが、債務整理のなかでも手続きが複雑で難しいことが知られており、多くの場合、弁護士・司法書士に依頼して手続きを行います。

個人再生の最大の特徴は住宅ローン特則(住宅資金特別条項)

個人再生の最大の特徴は、住宅ローン返済中の持ち家を没収されずに借金を減額できるところです。

個人再生は「債権者平等の原則」に基づき、すべての借金が対象となります。

そのため、通常であれば、住宅ローンも個人再生の対象に含まれ、ローンの額が圧縮される代わりに、住宅を没収・売却されてしまいます。

しかし、個人再生には「住宅ローン特則(住宅資金特別条項)」というルールがあり、これを利用することで、例外的に住宅ローンだけを個人再生の対象から外すことができます。

住宅ローンを個人再生から外すと、住宅ローンは今までどおり返済しなければなりませんが、その分今住んでいる家を手放さずに済みます。

住宅ローン特則を利用した場合、個人再生後は個人再生によって圧縮された借金と、残った住宅ローンを並行して返済します。

個人再生を選択する人のほとんどは、この住宅ローン特則を利用します。そもそも持ち家がない人や持ち家を残す必要のない人は、借金元本が完全に0になる自己破産も視野に入れて検討するとよいでしょう。

個人再生後の弁済額はどのようにして決まるの?

個人再生では、借金の利息免除だけでなく、借金の元本を圧縮することが可能です。

個人再生によって圧縮された元本のことを「計画弁済額」といいます。

最低弁済額は「個人再生後、あなたが最低限返済しなければいけない金額」と言い換えることもできます。

最低弁済額には、法律で借金総額に応じた基準が設けられており、最低弁済額がこの基準を下回ることはありません。

ここでは「小規模個人再生」を行った場合の最低弁済額が決まる流れについてご説明します。なお、「給与所得者等再生」については、後に補足します。

法律で定められた最低弁済額の基準

計画弁済額には、「最低弁済額」といって、借金元本の総額に応じて決まった返済額の基準があります。

最低弁済額は、法律上では民事再生法231条2項3項に記されています。

個人再生は、住宅ローンを除く借金の元本が5000万円以下の人でなければ行えない債務整理であり、5000万円までの借金を抱える人は、以下の基準で借金が圧縮されます。

<最低弁済額の基準>

最低弁済基準額

ご覧の通り、個人再生は借金総額が高額であればあるほど、強い効果を発揮します。

また、100万円以下の借金は個人再生をしても元本が圧縮されませんので、個人再生ではなく、任意整理などその他の債務整理を検討しましょう。

450万円の借金を個人再生すると……

前述の最低弁済額の基準に従って、個人再生をすると借金がどのくらい圧縮されるかみてみましょう。

450万円の借金を個人再生すると、まず利息が免除されます。

そのうえ、元本を最大で100万円まで圧縮することができます。個人再生では、圧縮後の元本を3年間(36回払い)で完済するのが基本なので、100万円まで圧縮することができた場合、月々の返済額はおよそ2万8千円です。

基準よりも高い計画弁済額を指定されることもある

ここまで、最低弁済額についてお話してきましたが、「個人再生をすれば、どんな場合でも450万円の借金が100万円に圧縮される」というわけではありません。

基準はあくまで基準であり、あなたの収入や財産などに応じて、最終的な計画弁済額が決定されます。

計画弁済額を定めるもう一つの評価材料が「清算価値」です。以下では、個人再生の計画弁済額をきめる清算価値保障の原則について詳しくご説明します。

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清算価値保障の原則とは?

清算価値ってなに?

清算価値とは、あなたの財産をすべて現金に換算した場合、いくら位の価値があるのかを想定し、示したものです。

清算価値に含まれる財産には以下のようなものがあります。

<清算価値に含まれる財産>

  • 銀行口座に入っている預金
  • 株など有価証券
  • 保険の返戻金
  • 持ち家
  • 自動車
  • 宝石などの高級品 など

清算価値に含まれない自由財産とは?

一方、あなたが持っている財産であっても、清算価値としてカウントされないものもあります。

これらは「自由財産」と呼ばれ、家具・家電など最小限の生活必需品のほか、最低限の生活が送れるための少額の財産などが挙げられます。

自由財産は清算価値にカウントされないため、個人再生の計画弁済額には影響を及ぼしません。

自由財産の範囲は裁判所によって異なる部分もあります。以下では、東京地裁の定める自由財産の範囲をご紹介します。

<自由財産の範囲(東京地裁の場合)>

  • 家具・家電など時価20万円以内の財産
  • 99万円までの現金
  • 20万円までの銀行口座に入った預金
  • 時価20万円以内の自動車
  • 返戻金20万円以内の生命保険

ローン返済中の自動車は清算価値に含まれる?

前述のように、あなたの持ち物に時価20万円以上の自動車がある場合、これは清算価値に含まれ、個人再生の計画弁済額の決定に影響します。

一方、時価20万円以下の自動車であれば、清算価値に含まれず、計画弁済額の決定に影響が及びません。では、現在ローン返済中の自動車があった場合はどうなるでしょうか?

自動車ローン返済中の人が個人再生をすると、自動車ローンもその対象にふくまれ、自動車はそのローンの担保として没収・売却されてしまいます。

没収・売却されてしまった自動車はその人の持ち物(財産)ではありませんので、清算価値に含まれません。

住宅ローンがアンダーローンになっていると個人再生が不利になることも

アンダーローンとは、ローン残高よりも住宅の時価のほうが高額な状態のことをいいます。

個人再生をする際に住宅ローンがアンダーローンになっていると、ローン残高と住宅の時価の差額が資産として清算価値に含まれてしまうため、計画弁済額が高額になってしまう恐れがあります。

たとえば、住宅ローンの残高が1,000万円で、住宅の時価が1,300万円の場合、差額の300万円は清算価値としてカウントされてしまいます。

最低弁済額<清算価値となると、清算価値が計画弁済額になる

個人再生では、その人の清算価値が法律で定められた最低弁済額の基準を上回る場合、清算価値の金額を計画弁済額に設定します。

これを「清算価値保障の原則」といいます。

つまり、財産を多く持っている人は、前述の基準よりも高額な返済額を指定されてしまいます。

450万円の借金を個人再生すると……

先程の例のように450万円の借金を個人再生すると、法律で定められた最低弁済額の基準通りにいけば、100万円まで圧縮が可能です。

しかし、あなたが高額の銀行預金を持っていたり、株や自動車などを所持していたりして、これらを現金に換算した際の総額(清算価値)が140万円だった場合、最低弁済額の基準より清算価値が高額となり、清算価値の金額が計画弁済額に指定されます。

つまり、計画弁済額は140万円となってしまい、個人再生後この額を返済していくことになります。

ちなみに、個人再生後の返済額が140万円になると、3年間払い(36回払い)で月々の返済額はおよそ3万9千円です。

清算価値保障の原則は、自己破産をする場合との平等性を保つためにある

個人再生の計画弁済額を定めるのに、その人の財産を数値化した「清算価値」が必要となる理由はなぜでしょうか。

これは、債務整理の一つである自己破産との平等性を保ち、カード会社を保護するためです。

自己破産とは?

自己破産は個人再生同様、裁判所を通じて行われる債務整理の一つです。

個人再生よりも効果が高く、自己破産をすると、借金の利息・元本がすべて免除されるため、借金が0になります。

しかし、自己破産には個人再生にはないペナルティがいくつかあります。

なかでも、注目すべきペナルティは、「財産の没収」です。

自己破産をすると、借金が帳消しになる代わりに、その人が持っている清算価値のある財産をすべて没収されてしまいます。

没収された財産は売却され、全て現金にしたうえでカード会社に分配されます。それでも足りない分は、免責ということで0になります。

個人再生の計画弁済額が清算価値を下回るとカード会社が損をする

ここで、カード会社の立場に立って、個人再生と自己破産を比較してみましょう。

個人再生では、当初予定されていた金額より格段に少なくなってしまいますが、お金を借りた人からの借金返済が約束されます。

一方、自己破産では、お金を借りた本人からの返済はありませんが、その人の財産を売り払ったお金が、その他のカード会社と分配されて戻ってきます。

つまり、個人再生でも自己破産でも、カード会社にいくらかお金が戻ってくることが想定されます。

仮に、多額の財産を持った人が自己破産ではなく、個人再生を行ったとしましょう。

すると、この人は自分の財産を没収されることなく手元に残したまま、借金元本が圧縮されます。

もし、個人再生後の計画弁済額がその人の財産の価値(清算価値)よりも安くなってしまったら、カード会社には自己破産をした場合よりも少ない金額しか戻ってきません。

カード会社はその人に対し、「それなら自己破産をして、今持っている財産を売り払ってでも返済してほしい!」と思うことでしょう。

このように、カード会社側の不利益を防ぐために、個人再生では「清算価値保障の原則=計画弁済額が清算価値を下回ってはいけないというルール」が定められているのです。

財産をたくさん持っている人は要注意

ここまで、清算価値保障の原則についてご説明してきました。

しかし、個人再生を行う人のほとんどはお金に困っているわけですから、清算価値に含まれるような財産をあまり持っておらず、基準どおりの計画弁済額を指定される可能性が高いです。

一方、預金、株、自動車、高級品など、高額な財産を多数持っている人の場合、清算価値が高くなってしまい、個人再生を行っても思うように借金総額が減らない可能性があります。

また、清算価値があまりにも高すぎると、個人再生を行っても再生計画が認められず、失敗してしまうこともあります。

清算価値は「いつ」「どのように」決まるの?

個人再生の計画弁済額を定めるのに重要な清算価値ですが、一体いつどのように決まるのでしょうか。

以下では、清算価値が算出されるタイミングや、算出方法についてご紹介します。

再生計画認可決定時に決まる

清算価値は時価なので、そのタイミングによって変動します。

個人再生の場合、個人再生の手続きの最後に行われる、再生計画認可決定時に清算価値が確定します。

そのため、個人再生の手続きを始めてから、清算価値が上がるような出来事があった場合は、現在の自分の清算価値が最低弁済額の基準を上回っていないか、適宜確認する必要があります

困ったときは、弁護士・司法書士などの専門家にご相談ください。

清算価値の算定方法

清算価値の算出方法は、各裁判所によっても異なります。

一例として、東京地裁の例を挙げますと、「清算価値算出シート」という提出書類上で計算し、裁判所に提出します。

とはいえ、一般の人が自分で正しい清算価値を算出するのは難しいため、弁護士・司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

「給与所得者等再生」では、計画弁済額を決める要因が更に増える

これまで述べてきたように、小規模個人再生では法律で定められた最低弁済額の基準とその人の清算価値を比較し、このうち高額な方が計画弁済額として指定されます。

給与所得者等再生では、これら2つに加え、「法定可処分所得2年分」という要因が追加されます。

法定可処分所得とは、税金・社会保険料を差し引いた年収から年間の生活費を引いたもののことをいいます。

450万円の借金を給与所得者等再生した場合

繰り返しになりますが、450万円を個人再生すると、最低弁済額の基準では100万円に圧縮されます。

しかし、給与所得者等再生の場合、最低弁済額の基準・清算価値・法定可処分所得2年分という3つの額のなかから最も高額なものが計画弁済額となりますので、清算価値が100万円を超えていなくても、法定可処分所得2年分が100万円を超えていたら、法定可処分所得の金額が計画弁済額になります。

たとえば、年収400万円、年間の生活費が280万円であった場合、法定可処分所得は400-280=120万円です。

その2年分となりますから、法定可処分所得2年分は240万円です。

この場合、最低弁済額の基準100万円と法定可処分所得2年分240万円とでは、法定可処分所得2年分のほうが高額であるため、この人の計画弁済額は240万円となります。

以上の例のように、給与所得者等再生は、小規模個人再生よりも計画弁済額が高額になる傾向にあります。そのため、可能な限り小規模個人再生を利用したほうが借金の負担が軽減します。

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まとめ

  • 個人再生とは、借金の利息免除+元本の圧縮が可能な債務整理
    ・裁判所を通じて行われる
    ・「住宅ローン特則(住宅資金特別条項)」を用いれば、持ち家を残して借金の負担を軽減できる
  • 個人再生後の返済額(計画弁済額)はさまざまな要因によって決まる
    <小規模個人再生の場合>
    ・法律で定められた最低弁済額の基準
    ・その人の持つ財産を現金化した場合の金額(清算価値)
    →以上2つのうち、より高額な方が計画弁済額となる
    <給与所得者等再生の場合>
    ・法律で定められた最低弁済額の基準
    ・その人の持つ財産を現金化した場合の金額(清算価値)
    ・年収から生活費を引いた金額×2年分(法定可処分所得2年分)
    →以上3つのうち、より高額な方が計画弁済額となる
    →給与所得者等再生のほうが計画弁済額が高額になりやすい
  • 個人再生の計画弁済額を決めるのに清算価値を調べるのは、カード会社が損するのを防ぐため
    ・自己破産をすると清算価値のある財産が没収・売却され、カード会社に分配される
    ・個人再生の計画弁済額が清算価値を下回ると、自己破産をしたときより少ない金額しかカード会社に返済されない

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