「個人再生をして後悔した人はいるのかな?」
「個人再生して後悔したくない!!」
個人再生は、住宅ローンを除外してその他の借金を圧縮できる非常に効果の高い債務整理です。
マイホームを残して債務整理を行いたいという人には、メリットが大きい手続きといえます。
一方、個人再生は手続きが複雑、ブラックリスト入りしてしまうなど、いくつかのデメリットがあることも事実です。
「これから個人再生を検討している」という人は、後悔がないよう、手続きを始める前に個人再生の特長についてきちんと理解することが大切です。
本ページでは、個人再生の手続きを開始してから後悔してしまうことがないように、個人再生をしてみて後悔したこと、手続き前に知っておいていただきたいことについて詳しくご説明します。

目次
手続きが複雑だった
個人再生は債務整理のなかでも、手続きが煩雑なことで知られています。
まず、手続きに必要となる書類の数がとても多いです。
<個人再生で必要となる書類>
【本人を特定するためのもの】
- 戸籍謄本
- 住民票
【財産・家計を表すためのもの】
- 給与明細書
- 退職金見込み額証明書
- 所得課税証明書
- 通帳の写し
- 車検証の写し
- 自動車の登録事項証明書
- 年金通知書
- 同居人の給与明細
- 保険証書 など
以上のように、主にあなたや共に暮す人の財産に関する書類を多く提出する必要があります。
特に注意すべき点は、ご家族など同居人がいる場合、同居人の給与明細も提出が必要なことです。
「家族に秘密で個人再生をしたい」と思っていても、書類を準備する段階で同居している家族からの協力が必要となるため、秘密にしておくのは難しいでしょう。
また、個人再生にあたって、新たに作成すべき書類も多くあります。
<裁判所から取り寄せ、作成する書類>
- 申立書
- 陳述書(職業・収入・財産・家族構成などを示す)
- 債権者一覧表(借金をしているカード会社の一覧)
- 家計表(現在の収入・支出をまとめる)
- 財産目録(持っている財産をまとめる)
これらの書類は、自力で作成しようとすると、大きな労力がかかります。
しかし、個人再生を弁護士・司法書士などの法の専門家に依頼することで、作成を代わりにやってもらえますので、ご安心ください。
⇒個人再生の申立てに必要な資料や書類
⇒家族に秘密で個人再生できる?バレずにできる場合も・・・
⇒個人再生すると退職金も財産(清算価値)扱い?!見込み退職金とは?
個人再生は手続きにかかる期間が長い
個人再生は、その他の債務整理と比較すると手続き開始から認可決定までに期間がかかります。
手続きを弁護士・司法書士など法の専門家に依頼し、滞り無く進めた方でも、4〜6ヶ月ほど時間がかかります。
書類の不備があったり、自力で手続きを進めていったりすると、6ヶ月〜1年ほどかかってしまう人もいます。
また、手続き期間中は提出した書類の不明点があれば、裁判所に呼び出されるほか、あなたの個人再生手続きをサポートする個人再生委員との面談なども行なわれるため、複数回裁判書・弁護士事務所などに足を運ぶ必要があります。
個人再生の手続中は、カード会社からの返済請求はストップするため、借金の返済に追われることはありません。
しかし、手続きに長期で時間がかかることに注意しましょう。
費用が高額だった
個人再生の手続きは、その他の債務整理と比較して費用も高額です。
手続きを始めてから「費用がこんなにかかるとは知らなかった!」という人もいます。
以下では、手続きに必要となる裁判所に支払う費用と、弁護士・司法書士など法の専門家に支払う費用とに分けてご説明します。
裁判所に支払う費用は20〜30万円
個人再生の手続きを行うにあたり、裁判所に支払う費用の相場は20〜30万円です。以下では、その内訳についてご説明します。
<個人再生費用の内訳>
- 申し立て手数料……10,000円(収入印紙)
- 官報公告費用予納金……12,000円
- 連絡のための郵便切手代……4,000〜8,000円
- 個人再生委員への報酬金……150,000〜250,000円
個人再生委員への報酬はなぜ幅がある?
個人再生委員とは、あなたの個人再生手続きをサポートするために裁判所から指定された弁護士のことをいいます。
自力で個人再生を行う場合、必ず個人再生委員が選任されます。
また、弁護士・司法書士に依頼して個人再生を行う場合でも、都道府県によっては個人再生委員の専任が必須です(東京地方裁判所では個人再生委員を必ず選任しています)。
個人再生委員への報酬は、個人再生委員が選任される限り必ず支払わなければなりません。
しかし、その額は個人再生の手続きを自力で行うか、弁護士・司法書士などに依頼して行うかによって異なります。
個人再生を自力で行う場合、個人再生委員に支払う報酬は25万円が相場です。
一方、弁護士・司法書士に依頼して個人再生を行う場合、個人再生委員に支払う報酬は15万円が相場です。
つまり、弁護士・司法書士に依頼して個人再生を行うほうが、個人再生委員に支払う報酬は安くなるということです。
弁護士・司法書士に個人再生を依頼する場合費用は20〜50万円
個人再生を弁護士・司法書士に依頼する場合、裁判書に支払う費用の他に、さらに費用がかかります。
弁護士と司法書士とでは、かかる費用も扱える案件も異なりますので、以下で詳しくご説明します。
弁護士に依頼するとかかる費用は30〜50万円
個人再生を弁護士に依頼すると、その報酬として30〜50万円の費用がかかります。
司法書士に依頼するより、費用が高額になってしまいますが、手続きのほとんどを任すことができるため、忙しい人でも個人再生を行うことができます。
司法書士に依頼するとかかる費用は20〜30万円
司法書士に個人再生を依頼すると、その報酬として20〜30万円の費用がかかります。
弁護士よりも費用が安いことが魅力ですが、一方で2点ほど注意点があります。
1つめは、弁護士に依頼するよりも自分で行うべき作業が増えてしまうことです。
司法書士の主な業務は、書類の提出と作成です。そのため、その他必要な作業は、あなた自身が行う必要があります。
2つめは、個人再生の結果、裁判を行うことになった場合、その訴額が140万円を超えていると、司法書士は裁判に携われないということです。
裁判になる心配がなければ問題のないことですが、万一裁判になった場合は、新たに弁護士に依頼し直さなければならないことも覚えておきましょう。
個人再生の費用に総額60万円以上かかることもある
以上のことを踏まえると、裁判書へ支払う費用、弁護士・司法書士に支払う費用を合わせ、個人再生の費用に60万円以上かかることもあるということがわかります。
とはいえ、今抱えている借金の総額が大きい人の場合、60万円支払うことで借金の負担が大幅に軽減されるのであれば、個人再生は魅力的な手段であるといえます。
また、お金に困って個人再生を行う人が、60万円を一括で支払うのは難しいでしょう。そのため、弁護士・司法書士費用は、分割支払いが可能な場合も多いです。
⇒個人再生の費用相場はいくら?裁判費用と弁護士費用の2種類存在

官報に個人情報が掲載されヤミ金業者からの勧誘が増えた
個人再生をすると、行政の発行する「官報」という文書にあなたの個人情報が掲載されてしまいます。
官報に個人情報が載ると、ヤミ金業者からの借金の勧誘が増えるというデメリットがあります。
個人再生を行うと、ブラックリスト入りしてしまうため、正常なルートからは借金ができません。
そこでヤミ金業者が官報をチェックし、借金ができない人たちに違法なやり方でお金を貸し出そうと勧誘をしてくるわけです。
一度ヤミ金業者から借金をしてしまうと、法外な利息をつけられたり、悪質な取り立てに遭ったりして、甚大な被害を受けることになりますので、誘いに乗らないようにご注意ください。
ブラックリストに載ってしまった
個人再生を行うと、その他の債務整理同様、個人信用情報に傷がつく、いわゆる「ブラックリスト入り状態」となります。
ブラックリスト入りすると、以下のことが一定期間できません。
<ブラックリスト入りすると制限されること>
- クレジットカードの使用・新規作成
- ローンの新規契約
- 携帯電話購入時の本体分割支払い
- 親族・友人の借金の連帯保証人になること など
個人再生の場合、ブラックリスト入りする期間はおよそ5〜10年で、その後はブラックリストから外れ、上で述べたことも再び行えます。
たとえば、「個人再生後すぐに自動車をローンで購入したい」と思っていても5〜10年はローンを組めないので、購入できないということになります。
⇒個人再生におけるブラックリストを丸裸!載ってる期間は?何ができない?
⇒バレる?バレない?個人再生して官報に載るタイミングを徹底解説
個人再生を行う前にメリット・デメリットをきちんと理解しましょう
上記のように、個人再生は知らずに手続きを始めてしまうと、「こんなはずではなかった!」と後悔するようなデメリットもあります。
そのため、個人再生の手続きに入る前に、そのメリット・デメリットを理解し、「自分にとって個人再生は最も適した債務整理なのか」ということを確かめる必要があります。
たとえば、「住宅ローンを返済中で、マイホームに住み続けながら個人再生をしたい」という人にとっては、どんなに手続きに時間や費用がかかっても、個人再生をすることで、その希望を叶えることができるわけですから、自分に適した債務整理=個人再生であるといえます。
「個人再生をすべきかどうかわからない」という人は、弁護士・司法書士事務所の行う無料相談を利用することをおすすめします。
無料相談では、あなたに合った債務整理を提案してくれるほか、必要であればその場で手続の依頼を承ることもできます。
自分で判断できないと思ったときは、法の専門家の力を借りてみましょう。
⇒個人再生のデメリットは8つだけ押さえておけば大丈夫!!
⇒連帯保証人付きの住宅ローンは個人再生するとどうなる?
⇒個人再生すべき4つのタイミング| タイミングを逃すと大惨事に……
⇒知人からの借金も個人再生の対象になるのか?

まとめ
- 個人再生は債務整理のなかで最も手続きが複雑
・必要書類が多い
・書類作成が大変 - 手続きにかかる期間が長く費用が高い
・スムーズに進んでも4〜6ヶ月はかかる
・弁護士に依頼するとスムーズだが総額60万円程度かかることもある - 官報に個人情報が掲載されヤミ金業者からの勧誘が増えた
- ブラックリストに載りカードの使用やローンの新規契約ができなくなった
- 自分に合った債務整理がわからないときは、弁護士・司法書士に相談