「リボ払いでした借金は個人再生の対象に入るの?」
「リボ払いの借金を個人再生するとどうなる?」
リボ払いはクレジットカードの支払い方法の一つです。
毎月の返済額が固定されているため、大きな買い物をしても家計が圧迫されにくいというメリットがある反面、金利が高く、返済期間が長くかかればかかるほど利息が高くなってしまうというデメリットがあります。
近年はリボ払いによって自分の身の丈に合わない買い物を続けたために、返済額が増えすぎて返済が困難になってしまう人もいます。
このようなクレジットカードのショッピング利用による借金においても、個人再生は可能なのでしょうか?
本ページでは、リボ払いを個人再生できるのかどうかについて、詳しくご説明します。

目次
リボ払いなどのショッピング枠の借金にも個人再生は利用できる?
クレジットカードには、キャッシング枠(現金を借りること)とショッピング枠(クレジットカードで買物をすること)という2つの枠があります。
通常、個人再生などの債務整理を考えるのはキャッシング枠での借金を多く抱えてしまった人が多いのですが、リボ払いなどショッピング枠での借金も同様に個人再生を行うことができます。
なお、リボ払いで作った借金を個人再生した場合、キャッシング枠同様、利息がありますので、これが免除されるうえ、元本も圧縮されます。
リボ払いでした200万円の借金を個人再生すると……
ここではまずリボ払いでした200万円の借金を個人再生した場合の圧縮額をみてみましょう。
リボ払いでした200万円の借金をそのまま返済すると……
リボ払いの年利は相場が15%程度です。そのため、200万円を1年(12回払い)で完済しようとすると、通常であれば月々の返済額はおよそ18万円で、30万円もの利息がかかりますので、合計230万円のお金を支払うことになります。
ただし、リボ払いでは、月々の支払い額を設定し、借金の額が高額な場合は、返済回数を増やすことで完済していきますので、実際には1年では完済しきれないでしょう。
たとえば、200万の借金をしている人が、月5万円ずつのリボ払いで返済しようとすると、完済までにおよそ4年半(56回払い)かかります。
この間年利15%の利息がかかりますので、完済までにおよそ140万円もの利息がかかるため、合計340万円のお金を支払います。
個人再生をすれば利息免除・元本圧縮で負担が軽減
個人再生を行うと、まず利息がカットされ、そのうえ元本が圧縮されます。
200万円の借金の場合、最大で100万円まで圧縮されます。
また、個人再生で圧縮された返済額(計画弁済額)は、3年間(36回払い)で完済するのが一般的なので、100万円を3年間で完済しようとすると、月々の返済額は2万8千円程度となります。
ちなみに、リボ払いの最中に個人再生を行っても、すでに支払ってしまった高額な利息は戻ってきません。
そのため、リボ払いの返済が厳しいと思ったら、なるべく早く個人再生などの債務整理を行うことをおすすめします。
⇒個人再生のデメリットは8つだけ押さえておけば大丈夫!!
⇒個人再生の手続きの流れ/裁判所を介する個人再生の手続きは大変?
リボ払いでした借金を個人再生するとどうなる?
前述のように、リボ払いでした借金は個人再生を行うことによって大幅に軽減できます。
ただし、以下のような影響が及ぶこともあるため、ご注意ください。
すべての借金が対象となる
個人再生はリボ払いでした借金だけでなく、あなたの抱えているすべての借金が対象となります。
そのため、カード会社(クレジットカード会社・消費者金融・銀行)からのキャッシング等の借金はもちろん、自動車ローンなども対象となり、利息の免除、元本の圧縮を受けます。
自動車ローンがある場合、個人再生をすることによって、負担が軽減する一方、担保となっている自動車が没収され、生活に支障をきたす可能性があります。
住宅ローン特則を利用すれば住宅ローンは除外される
なお、個人再生の場合、住宅ローンだけは「住宅ローン特則」を利用することにより、個人再生の対象から外すことができます。
住宅ローン特則を利用すれば、住宅ローンを残して、それ以外の借金だけを圧縮できるため、担保となっている住宅を没収されずに済みます。
その分、個人再生後も以前と変わらず住宅ローンを返済しなければなりませんので、ご注意ください。
ブラックリスト入りするためクレジットカードの利用等ができなくなる
個人再生は裁判所を通じた債務整理なので、行うことによって個人信用情報に傷がつく、いわゆる「ブラックリスト入り」をしてしまいます。
ブラックリスト入りしてしまうと一定期間、以下のことが制限されます。
<ブラックリスト入りするとできなくなること>
- クレジットカードの使用・作成
- ローンの新規契約
- 携帯電話契約時の分割支払い
- 親族・友人の借金の保証人になること など
ただし、ブラックリスト入りする期間は限られており、個人再生の場合は5〜10年程度です。
その後は今まで通り、カードの作成などを行うことができます。
リボ払いで購入した物品の返還を求められることもある
リボ払いの借金を個人再生すると、場合によってはリボ払いで購入した商品の返還を求められることがあります。
たとえば、ブランド品や宝石、貴金属などは、没収される可能性が高いです。
一方、日用品や飲食物などすでに消費してしまったものは返還できないので、没収されることはありません。

まとめ
- リボ払いなどショッピング枠でした借金も個人再生の対象になる
・利息がカットされ、元本が圧縮される
・リボ払いで買った品物がブランド品・宝石・貴金属などの場合、没収されることもある - リボ払いの借金を個人再生すると……
・カードローン、自動車ローンなどすべての借金が対象となる
・住宅ローン特則を利用すれば、住宅ローンだけは除外される
・ブラックリスト入りするので、5〜10年クレジットカードが利用できない