給与所得者等再生とは?要件や流れを解説!!

サラリーマン

「個人再生って複雑でよくわからない……」
「会社員は必ず給与所得等者再生を選ばなければならないの?」

個人再生とは、裁判所を通じて、借金の利息免除のほか、元本の圧縮が可能となる債務整理です。

個人再生には「小規模個人再生」と「給与所得者等再生」という、大きく2つの種類があり、それぞれに特徴が異なります。

給与所得者等再生は会社員など定期的で安定した収入のある人向けの個人再生で、可処分所得2年分が計画弁済額の条件に加わるなど、返済額が高くなりがちという欠点はありますが、カード会社から反対されることなく確実に個人再生ができるという利点もあります。

当ページでは、給与所得者等再生の特徴や手続きの流れなどについてご説明します。

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個人再生には2つの種類がある

給与所得者等再生について詳しくお話する前に、まずは「個人再生」とはなにかについて、簡単にご説明します。

個人再生とは?

個人再生とは、裁判所を通じた債務整理のひとつです。

借金の利息免除と、元本の圧縮を行うことができます。

個人再生の最大の特徴は、「住宅ローン特則 (住宅資金特別条項)」を用いることで、従来であれば個人再生の対象となってしまう住宅ローンを対象から外し、持ち家を残してその他の借金だけを圧縮できることです。

そのため、「ローン返済中の持ち家を残して債務整理したい」という人が利用することの多い債務整理です。

個人再生には「小規模個人再生」と「給与所得者等再生」がある

個人再生には、大きく2つの種類があります。

<個人再生の種類>

  • 小規模個人再生
  • 給与所得者等再生

このうち、本ページでは、「給与所得者等再生」に焦点を当て、概要や小規模個人再生との違い、手続きの流れについてご説明します。

給与所得者等再生とは?

給与所得者等再生とは、サラリーマン・OLなどの会社員のように、毎月安定した収入がある人(給与所得者)のための個人再生です。

しかし、給与所得者であれば絶対給与所得者等再生を選択しなければならないわけではなく、小規模個人再生と比較して、自分にあったほうを選択することができます。

一方、自営業の方やアルバイトの方など、収入はあるけれどその額が月々変動してしまう人は、給与所得者等再生を選択することはできません。

そのため、これらの人たちが個人再生をするときは、必然的に小規模個人再生を選択することになります。

<サラリーマン・OLの場合……>

  • 小規模個人再生
  • 給与所得者等再生

→どちらかを選ぶことができる

<自営業や収入が安定していない人の場合……>

  • 小規模個人再生
  • →給与所得者等再生は選択できない

給与所得者等再生の利用条件はなに?

給与所得者等再生を選択するためには、以下の条件を満たしている必要があります。

<給与所得者等再生の利用条件>

  • 住宅ローンを除く借金の総額が5,000万円以下であること
  • 継続的な収入が約束されていること
  • 定期的な収入があり、その金額の変動が小さく、安定していること
  • 以前給与所得者等再生や自己破産を行った人の場合、それから7年以上が経過していること

「借金総額が5,000万円以内」「継続的な収入がある」などの条件は、小規模個人再生と変わりません。

しかし、「収入の変動が小さい」「以前の債務整理から7年が経過している」などの条件は、給与所得者等再生特有の条件といえます。

「安定した収入」の定義は?

「変動額が少なく安定した収入」の目安としては、過去2年間の収入の変動幅が20%以内である事が挙げられます。

そのため、会社員の人であっても、出来高制などで毎月の給与が大きく変動する人の場合、給与所得者等再生を行うことができないケースがあります。

「給与所得者等再生に興味はあるけど、自分の条件でもできるのかどうかわからない」という場合、弁護士・司法書士事務所の初回相談で、専門家に相談してみましょう。

勤続年数が短くても、給与所得者等再生は可能?

転職が当たり前になった昨今、会社員とはいっても、勤続年数の短い人も多いのではないでしょうか。

実は、給与所得者等再生の場合、毎月安定した収入があることが重要な利用条件であるため、勤続年数が短いと裁判所からの認可が通りにくくなってしまいます。

しかし、だからといって勤続年数が短い人が誰しも給与所得者等再生を認められないわけではありません。

たとえば、「転職はしたが、以前も同じような業種の職業についており、そこでの勤続年数が長かった」という場合や、「勤続年数は短いが、勤務態度もよく、今後も長期に渡って努めていけそうである」という証明ができる場合、勤続年数が短くても、給与所得者等再生を認めてもらえます。

「勤続年数が短いから、給与所得者等再生を認めてもらえるか不安」という人も、事前に弁護士・司法書士にご相談されることをおすすめします。

給与所得者等再生は小規模個人再生とどう違うの?

前述の通り、会社員を始めとする毎月安定した収入がある人は、給与所得者等再生と小規模個人再生の2つから、自分にあったほうを選択できます。

とはいえ現状では、小規模個人再生を選択する人がほとんどです。

それはなぜでしょうか。ここでは、給与所得者等再生と小規模個人再生の違いについてご説明します。

対象者の違い

これはおさらいになりますが、給与所得者等再生と小規模個人再生では対象となる人が異なります。

小規模個人再生は継続的な収入があれば、金額の変動は問いません。しかし、給与所得者等再生の場合、継続的な収入があり、且つその額が安定している人でなければ、行うことができません。

たとえば、パートタイマーやアルバイトなどの仕事は、病気などで長期に渡って欠勤すれば、その分収入が減ってしまいます。

そのため、一般的にはこのような仕事に就いている人は給与所得者等再生を選択することはできません。

ただし、パートタイマーやアルバイトの人であっても、収入が安定している場合、給与所得者等再生が認められるケースがありますので、詳しくは弁護士・司法書士などにご相談ください。

また、年金生活者の方も、収入が安定しているため給与所得者等再生を利用できる可能性があります。

計画弁済額の出し方の違い

給与所得者等再生と小規模個人再生を選択するうえで大きな違いが出てくるのが、この計画弁済額の出し方の違いです。

個人再生では、借金の利息免除のほかに元本の圧縮が可能で、圧縮され個人再生後に支払う返済額のことを「計画弁済額」といいます。

一般的に、計画弁済額は個人再生後3年払い(36回払い)で完済します。まず、小規模個人再生の場合ですが、以下の 2つのなかでより高額な方が計画弁済額として指定されます。

<小規模個人再生>

  • 最低弁済額……借金総額ごとに決められた返済額の最低ライン
    (たとえば500万円以内の借金であれば、最低弁済額は100万円)
  • 清算価値……その人の持つ財産(車・株・高級品など)を時価でお金に換算した場合の総額

→これらのうち、より高額なものが計画弁済額となる

一方、給与所得者等再生では、以下3つのなかでより高額なものが計画弁済額として指定されます。

<給与所得者等再生>

  • 最低弁済額……借金総額ごとに決められた返済額の最低ライン
    (たとえば500万円以内の借金であれば、最低弁済額は100万円)
  • 清算価値……その人の持つ財産(車・株・高級品など)を時価でお金に換算した場合の総額
  • 可処分所得2年分……可処分所得(年収から年間の生活費を引いたもの)×2年分の金額

→これらのうち、より高額なものが計画弁済額となる

最低弁済額とは?

最低弁済額とは、法律で定められた、借金総額ごとの決められた返済額の最低ラインのことです。最低弁済額は以下のように決められています。

<最低弁済額とは?>

  • 〜100万円以内の借金を個人再生すると:個人再生をしても圧縮されない
    →変化なし
  • 100〜500万円までの借金を個人再生すると:100万円まで圧縮が可能
    →450万円の借金を個人再生した場合、最大で100万円まで圧縮が可能(350万円分の元本が免除)
  • 500〜1500万円までの借金を個人再生すると:借金総額の5分の1まで圧縮が可能
    →1200万円の借金を個人再生した場合、最大で240万円まで圧縮が可能(960万円分の元本が免除)
  • 1500〜3000万円までの借金を個人再生すると:300万円まで圧縮が可能
    →2800万円の借金を個人再生した場合、最大で300万円まで圧縮が可能(2500万円分の元本が免除)
  • 3000〜5000万円までの借金を個人再生すると:借金総額の10分の1まで圧縮が可能
    →4500万円の借金を個人再生した場合、最大で450万円まで圧縮が可能(4050万円分の元本が免除)

最低弁済基準額

清算価値とは?

清算価値とは、あなたの持つ財産をすべて現金に換算した場合の価値を示したものです。清算価値には、以下のような財産が含まれます。

<清算価値に含まれる財産>

  • 銀行口座に入っている預金
  • 株など有価証券
  • 保険の返戻金
  • 持ち家
  • 自動車
  • 宝石などの高級品 など

一方、同じ財産であっても清算価値に含まれないものもあります。

これらは「自由財産」と呼ばれ、清算価値にカウントされません。

自由財産の範囲は、手続きを行う裁判所によっても異なりますが、東京地裁の場合では以下のとおりです。

<自由財産の範囲(東京地裁の場合)>

  • 家具・家電など時価20万円以内の財産
  • 99万円までの現金
  • 20万円までの銀行口座に入った預金
  • 時価20万円以内の自動車
  • 返戻金20万円以内の生命保険 など

たくさんの財産を持っていると、清算価値が最低弁済額よりも高いと判断され、個人再生後の返済額(計画弁済額)が高額になってしまいます。

自分の清算価値を自分で算出するのは難しいため、弁護士・司法書士に相談してみることをおすすめします。

可処分所得とは?

可処分所得とは、税金・社会保険料などを除いた手取りの年収から、年間の生活費を引いたもののことをいいます。

たとえば、手取りの年収が400万円で年間の生活費が250万円であった場合、差額の150万円が可処分所得となります。

給与所得者等再生では可処分所得2年分が計画弁済額決定の一つの基準になります。

400万円の借金を個人再生した場合、計画弁済額はいくら?

400万円の借金を個人再生した場合、法律で定められた最低弁済額は100万円です。

小規模個人再生を選択した人で持っている財産が少なく、清算価値が100万円に満たない場合、計画弁済額は100万円となります。

これを3年払い(36回払い)で完済しようとすると月々の返済額はおよそ2万8千円です。

一方、給与所得者等再生を選択した人の場合、さらに可処分所得2年分という条件が加わります。

前述の例のように手取り年収400万円で年間の生活費が250万円の場合、可処分所得は150万円、その2年分ですから300万円ということになります。

そのため、この場合計画弁済額は300万円となり、これを3回払い(36回払い)で完済しようとすると、月々の返済額はおよそ8万3千円です。

もともとの借金総額が400万円ですから、わずか100万円しか圧縮されていないことになります。

このように、給与所得者等再生は小規模個人再生よりも計画弁済額が高額になりがちです。

カード会社の同意が必要かどうかの違い

給与所得者等再生は小規模個人再生よりも借金の圧縮幅が小さいことが多く、「小規模個人再生をしたほうが、たくさん減額されていいじゃないか」と思う人も多いでしょう。

しかし、給与所得者等再生には給与所得者等再生だけの利点があります。給与所得者等再生の利点は、個人再生をする際にカード会社の同意が不要なことです。

小規模個人再生は過半数のカード会社からの同意が必要

小規模個人再生の場合、個人再生中に作成した「再生計画案(個人再生後の返済計画を記した書面)」を借金をしているカード会社に送付し、個人再生を認めてよいかどうか、カード会社側に意見を求めなければなりません。

もちろん、カード会社からの異議がなければ、個人再生をしてよいということになり、圧縮された借金の返済がスタートします。

しかし、小規模個人再生では、借金をしているカード会社の過半数が「反対」の意思表明をした場合、その個人再生は認められず、失敗に終わってしまいます。

給与所得者等再生の場合、カード会社からの同意は不要

給与所得者等再生の場合、再生計画案をカード会社に送付する必要はありません。

そのため、あなたの個人再生をカード会社側が反対することはありません。

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給与所得者等再生の手続きの流れ

個人再生の手続きは小規模個人再生であっても、給与所得者等再生であっても、大筋は変わりません。

以下では、個人再生手続きの大まかな流れについてご紹介します。

弁護士への相談と委任契約

個人再生を検討する際は、弁護士などの専門家に相談に行くことをおすすめします。

初回相談では、あなたの借金の状況、収入の状況に応じて、必要な債務整理を提案します。

初回相談は無料という弁護士事務所も多いため、積極的に活用しましょう。

相談の結果、個人再生をしたい、この弁護士に依頼したいと思った場合、委任契約を結びましょう。

個人再生手続きスタート

個人再生を行うことが決定すると、弁護士から各カード会社へ「受任通知」という書類をお送りします。

受任通知が届くと、カード会社はあなたへの取り立てを停止しなければなりません。

また、受任通知を送ると同時に、弁護士はカード会社へ借金の状況を知るための取引履歴の開示を請求します。

借金の状況や収入・支出、財産の調査

再生計画案を作成するために、弁護士があなたの借金の状況や収入・支出の状況について調査します。

借金に関しては、過払い金(カード会社に払いすぎている利息)がないかどうか引直し計算を行い、過払い金が合った場合は返還請求を行います。

収入・支出の調査は、あなたや同居するご家族の給与明細・源泉徴収や、家計簿を提出する必要があります。

また、清算価値を算出するため、財産や資産の調査として、通帳や保険証券、車検証などを提出します。

小規模個人再生と給与所得者等再生を選択

以上の調査をもとに、小規模個人再生と給与所得者等再生のうちいずれかを選択します。

「小規模個人再生と給与所得者等再生、どちらを選べばいいかわからない」という人がほとんどだと思いますので、担当する弁護士と相談しましょう。

個人再生申立書の作成と提出

個人再生を行う際は申立書を作成します。

申立書には、個人再生を行う人の利用しているカード会社の一覧表、家計簿や給与明細、財産の目録、住宅ローンの資料などが添付されます。

弁護士に依頼する場合、申立書の作成は弁護士が行います。

完成した申立書を地方裁判所に提出し、申立は完了です。

個人再生委員の選任と履行可能性テスト

個人再生では、裁判所にもよりますが、一般的に個人再生委員が選任され、面談を行います。

個人再生委員とは、個人再生を行うための調査や再生計画案を作成するための事前サポートを行う人のことです。

個人再生委員との面談は、申立書の内容の確認を中心に行われ、「この人の個人再生の手続きを進めてよいだろうか」ということが判断されます。

履行可能性テスト

裁判所によっては個人再生後にきちんと返済していけるかどうかを試すために、個人再生委員との面談期間中に「履行可能性テスト(トレーニング期間)」を設けることもあります。

履行可能性テストでは、個人再生委員が指定した銀行口座に、毎月の計画弁済額(予定額)を振り込むことができるかが試されます。

履行可能性テストに振り込んだお金は、個人再生委員への報酬の支払いに利用され、残高があれば後に返金されます。

個人再生手続き開始

個人再生委員より、「個人再生の手続きを進めてよい」という許可が出ると、いよいよ個人再生手続きが開始されます。

一般的には申立から3〜4週間程度で開始されます。

個人再生の手続がスタートすると債権調査などが実施されます。

再生計画案の作成・提出

債権調査などが完了すると、再生計画案を作成します。

再生計画案とは、借金の計画弁済額や返済方法、住宅ローン特則の利用などについてをまとめた文書です。

個人再生を弁護士に依頼している場合、弁護士が作成・提出します。

再生計画案の決議と裁判所による決定

小規模個人再生の場合、提出した再生計画案をみてカード会社が同意・不同意の意見を裁判所に提出します。

過半数が「不同意」を示した場合、その再生手続は廃止されてしまいます。

一方、給与所得者等再生の場合はカード会社の同意は不要であるため、直接裁判所で再生計画の認可・不認可が決定します。個人再生が認められた場合、計画弁済額の返済がスタートします。

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まとめ

  • 個人再生には、「小規模個人再生」と「給与所得者等再生」がある。
    ・会社員など定期的で安定した収入がある人は、小規模個人再生と給与所得者等再生のどちらを選んでもよい
    ・自営業やアルバイトの人は、小規模個人再生しか選択できない
  • 給与所得者等再生は計画弁済額の条件に可処分所得2年分が加わるため、小規模個人再生より計画弁済額が高額になりやすい
    ・可処分所得とは、税金・社会保険料を除いた年収から年間の生活費を引いたもの
  • 給与所得者等再生はカード会社による反対がないため、確実に個人再生ができる
    ・小規模個人再生はカード会社からの反対が過半数に上ると個人再生ができない

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