「個人再生の履行テストとは?」
「履行テストは必ず行われるの?」
個人再生について調べると、「履行テスト」「履行可能性テスト」というワードがよく出てきます。
個人再生するのにテストが必要なの?試験を受けなきゃいけないの?
テストと付くとこんなイメージがわくかもしれません。
そんな人のために個人再生の履行テスト(履行可能性テスト)について説明していきます。

履行テストって何?
履行テストは、債務者が個人再生を行った際に本当に弁済していけるかどうかを判断するために東京地方裁判所が設けている制度で、個人再生前に再生計画で申告した弁済額を6ヶ月間毎月振り込むというもの。
個人再生では弁済を継続できるかが認可の条件となっており、履行テストはそれを確かめるために設けられているのです。
東京地方裁判所では、個人再生の申立てを受けると一連の手続きを監視・指導する個人再生委員を選任します。
テストの結果は個人再生委員を通して裁判所に報告され、それを受けて再生計画認可決定をするか否かを判断することに。
履行テストは、小規模個人再生と給与所得者個人再生どちらの場合でも実施されます。
⇒個人再生の流れ
⇒個人再生委員とは?
⇒小規模個人再生って何?
⇒給与所得者再生って何?
履行テストの期間はいつからいつまで?
履行テストは、個人再生の申立てから再生計画認可決定までに原則6ヶ月間行われ、並行して債務調査や再生計画の確認が進められます。
原則6ヶ月間とされていますが、債権者の弁済能力に問題がないと認められた場合には最短3ヶ月になる場合もあります。
最初の支払いは申立てから1週間以内に設定され、ここで本当に個人再生の手続きを開始しても良いか判断されることに。
支払ったお金は返還される?
履行テストで支払ったお金は、個人再生委員の報酬に充当されます。
個人再生を弁護士に依頼した場合で15万円、それ以外(司法書士に依頼した場合や個人で行う場合)は25万円が再生委員の報酬となります。
余剰分は返還されることになりますが、依頼した弁護士や司法書士の費用に充てるケースが多いです。
履行テストに失敗したらどうなる?
履行テストの支払いができなかったり、遅延してしまうと個人再生委員が裁判所に報告し、個人再生が不認可となってしまいます。
病気や事故等で収入がなくなってしまったなどの正当な理由がない限り、これを覆すことはできません。
つまり、履行テストをクリアできない限り個人再生をすることは認められないのです。
東京以外の地域ではどうしてるの?
大阪や仙台などの裁判所で個人再生する際は、原則として個人再生委員が選任されません。
そして履行テストの代わりに積立金制度を採用しています。
積立金制度とは、弁護士や司法書士の口座に再生計画で申告した弁済額を毎月振り込み、積み立てをしていくもの。
積立金は履行テストのように何かの費用に天引きされることはないので、そのまま弁済に充当することができます。
通常、積立金制度は個人再生を決めた時点から始まり、再生計画提出時に合わせて積立状況を裁判所に報告します。
それを受けて裁判所は認可決定を判断するのです。

まとめ
履行テストは裁判所が債務者の弁済能力を測るために設けれており、クリアできなければ個人再生することはできません。
支払いができなかったり、遅延してしまったらもともこもありません。
個人再生を依頼する前に専門家協力のもと、しっかり弁済計画を立てることが重要となります。